無料通話アプリのcommがサービス終了
無料通話アプリであるcomm(DeNA)が今年2015年の4月21日にサービスを終了しました。
純国産の無料通話アプリだっただけに非常に残念。
国内ではまさにLINEのひとり勝ち。。
え?楽天Viberは??
1通話アプリが普及する条件
通話アプリが普及する条件、これは何だと思いますか?
大きな理由は一つ。
知人、友達など身近な人がより多く使っているアプリを選ぶハズです。無料通話アプリの用途はクローズドな閉鎖された仲間内でのコミュニケーション。みんなで同じアプリを使わなければコミュニケーションが図れないので現状の普及数の多さが最大条件です。
commはユーザー数を集めることが出来ず、LINEはどんどんユーザー数が増加しました。commがサービスを続ければ続けるほどLINEとの差は開き運営が行き詰ることが素人目でもわかります。DeNAは最良の引き際を選択できたと思います。
問題は何故ユーザー数を集めることが出来なかったのか?と言う所になります。
何故だと思いますか?
commの失敗を例に
まず、大きな理由である普及数の違いを分解してみて見ましょう。
LINEのスタートの早さが一番の理由。使っている人がいるから同じアプリを使う現象が起こるのが無料通話アプリですからLINEはかなりのアドバンテージを獲得したことになります。これを後発で追い越すには相当な努力が必要になります。
求められるものは次の四つ。
宣伝力
アプリ自体がユーザーを引き付ける魅力が備わっている
課金力
LINEを追い越すまでの膨大な運転資金
この中でcommが出来たものは宣伝力のみ。commの名前はあっという間に広まりました。しかし求められる残りの3つがとにかくガタガタ。
そもそも無料通話アプリ自体の魅力はスタンプくらいなものでした。
当時はチャット機能、通話品質、インターフェイスはどのアプリもほとんど大差なし。
そのスタンプに魅力が無い・・・
スタンプ以外に魅力をクリエイトできたら良かったのですが後の祭りです。
つまりアプリ自体の魅力が無い。
次の課金力。
これは無料通話アプリの魅力であるスタンプで売り上げているLINEとは違い、課金力であるスタンプを全て無料にしてしまったところ。
つまり課金力が無い。
モバゲーで人気を博したDeNA。モバゲーの売り上げがエグイ課金方式であるコンプガチャが大きかっただけにcommのビジネスモデルも大変眉唾なところです。
では何で売り上げを立てようと思ったのか?
commが一斉に広まった矢先、commを不安視する声がネット上で広まりました。その一つが利用規約。
この利用規約にユーザーが利用した情報をDeNAや関連会社に提供してもおかしくない記述があったこと。
もう一つが、他のアプリに比べるとユーザーが利用しているスマートフォン内部の情報にアクセスする項目がズバ抜けて多いこと。
最後のひとつがIDやハンドルネームではなく、実名登録しなくてはならない事。
これを融合すると、commの売り上げはユーザー情報の販売ではないか?とユーザーに受け取られてもおかしくないですよね。
あっという間にcommの不安要素はネット上にバズられてcommの評判がガタ落ちになってしまいました。
ステマと言うワードが丁度ネット上では流行っていて、運営側がユーザーに内緒でコソコソすることに敏感になっていた状況が見えなかった、もしくは、ユーザーのリテラシーを軽視していた、という事になるのではないでしょうか。
そして最後の運転資金が無いに繋がるのではないでしょうか?年途上で渦巻くcommへの疑念に対しDeNAは利用規約に対して、他者にユーザー情報を渡すなんて事はない!と釈明をしてしまいました。それにより、運転資金と考えていたユーザー譲渡による報酬が消えたのでビジネスモデルとして失敗。サービスの終了、というシナリオが成り立つように思えます。
国産無料アプリをやるとしたらサイバーエージェントかな?と思っていました。コミュニティにゆかりあるし無料アプリに興味ありそうだから。でもさすがに賢いですね、後だし負けじゃんけんなどに手を出しませんでした。
さて、周りにヴァイバー使っている人はいますでしょうか?
Viberの存在は?
まずViberは国産ではありません。楽天が買い取ったイスライル産アプリ。2010年にリリースし、無料通話アプリとしてはハシリ的存在でユーザー数は世界で1億人以上。
しかし楽天が買収した2014年にはほとんどの日本人が存在すら気づいていない状態でした。無料通話を行う相手は遠くの知らない外人ではなく、身近な人なのです。ついでなのでViberが国内で普及しない原因も挙げてみます。
遅すぎた買収
無料通話アプリを通販の楽天がイメージ戦略したことによる不適合性
そもそも楽天という名前が若者にウケない
Viberは日本人には読みづらい
国内で普及させる気概が弱い
最後の原因である「普及させる気概」ですが、本当に国内で普及させたいのであれば日本語読みでヴァイバーなんて日本人の滑舌に合わない馴染みの悪いネーミングは変更すべきところをそのままにしているのは、グローバルシェアからの利益を得ようという楽天の意気込みと同時に、既存ユーザー離れへの弱気から来るもの、と言う所でしょうか。
楽天というネーミング、楽天本体の通販サイトなどを見ればターゲットユーザーは決して若者ではないです。
無料通話Viberも同じく若者ではなくお父さんお母さんターゲットで考えていたのかもしれませんが、息子や娘が使っている無料通話に合わせるのが普通であって、なおかつ、Viberという若者でも馴染みづらいネーミングと言うガチャガチャぶりに、Viberも国内サービスにおいてはcommと同じ道が待っているのかもしれないと思ってしまいます。
でも!!
テレフォンセックスに限っては真逆です。
LINEは普段の仲間と繋がっている大切なツール。捨てアカウントのようにテレフォンセックス用に別アプリを使う。これぞ正しくViberは理想的。しかもテレビ電話も対応になり、Viberの安定運営を願うばかりですね。